化粧品公正取引協議会 - COSMETIC FAIR TRADE CONFERENCE -

コスメチックQ&A - 紫外線防止用化粧品

紫外線防止用化粧品
様々なシーンでの紫外線を効果的に防御して日やけを防ぎ、紫外線による悪影響から肌を保護する化粧品です。
紫外線は、なぜ肌によくないのですか。

 紫外線(UV-A・UV-B)が肌にもたらす悪影響には次のようなものがあります。

①炎症
サンバーンといって、肌が赤くなったり、腫れたり、水疱ができたりする現象で、急激に強い日ざしを浴びたときに起こります。
②黒化
サンタンといって、肌が黒くなり、日やけによるシミ・そばかすが促進されます。これは、表皮のメラニン色素が、肌に侵入する紫外線を吸収して一層黒くなるためです。
③乾燥
紫外線は肌を乾燥させるので、乾燥による小ジワもできやすくなります。
④角層肥厚
紫外線の侵入を防ぐために肌表面の角層が厚く硬くなり、肌がゴワゴワすることがあります。
⑤老化促進
肌の内部に侵入した紫外線は、真皮組織を変化させて、肌の老化を促します。
⑥皮膚ガン
長年にわたって蓄積された紫外線によるダメージは、皮膚ガンの原因になるとも言われています。

 紫外線は、このようなさまざまな悪影響を肌にもたらします。肌の健康のためにも、美容のためにも、紫外線はできるだけ避けたいものです。

SPF20の日やけ止めクリームとSPF30のファンデーションを重ねたら、SPF50の効果があるのですか。

イメージ:SPFの効果

 SPF(Sun Protection Factor=紫外線防御指数)は、UV-Bによる日やけをどの位遅らせることができるのかを測定したものです。例えば、日やけ止めをつけていないときに比べて、日やけする時間を10倍に遅らせることができるなら「SPF10」、20倍に遅らせることができるなら「SPF20」と表示され、紫外線防止効果を比べるときに役立ちます。

 SPFはそれぞれの紫外線防止用化粧品について単独に測定されたものなので、SPF20+SPF30=SPF50と、単純に足し算して考えることはできません。しかし、日やけ止めクリームの上にファンデーションを重ねれば防止効果は高まります。紫外線防止用化粧品は、生活シーンに合わせて選び、効果的に使用しましょう。

SPF・PAとは

SPF

Sun Protection Factorの略で、太陽の中波長紫外線(UV-B)の防止効果の程度を表す数値です。これは、肌に紫外線防止化粧品をつけていた場合に、UV-Bによる日やけをどの程度遅らせることができるかを測定したもので、つけていないときに比べて、2倍に遅らせることができるなら「SPF2」、10倍に遅らせることができるなら、「SPF10」と表示されます。

PA

Protection Grade of UVAの略で、太陽の長波長紫外線(UV-A)の防止効果の程度を表す表示です。肌に紫外線防止化粧品をつけていた場合に、UV-Aによる日やけをどの程度遅らせることができるかを測定したPFA値(UV-A防御指数)に基づき、次のような3段階で表示されています。

PA+:効果がある、PA++:かなり効果がある、PA+++ :非常に効果がある

SPF20・PA++の日やけ止めクリームを買いました。海辺やスポーツの時の日やけ対策にも使えるでしょうか。

イメージ:紫外線を浴びる状況

 日やけをきちんと防ぐためには、紫外線を浴びる状況に応じて最も適切な「SPF」「PA」の紫外線防止用化粧品を選んで使用することがとても大切です。

 日常生活で必要な防止効果、スポーツ時や、海、雪山などのレジャー時に必要な防止効果とでは、当然同じでありません。

「ONE POINT」の表を見てもわかるように、「SPF20」「PA++」の日やけ止めは、屋外での軽いスポーツ時等の紫外線を防ぐのに適しています。炎天下の海辺や高山で過ごすときには、「SPF30~50」「PA++~+++」の紫外線防止用化粧品をおすすめします。

生活シーンに合わせた紫外線防止用化粧品の選び方

グラフ:生活シーンに合わせた紫外線防止用化粧品の選び方

日本化粧品工業連合会 編『紫外線防止用化粧品と紫外線防止効果』より

※SPF50+
日本化粧品工業連合会において定められた統一基準でSPF値が50を超える商品の場合に、SPF50+という表記となる。

日やけ止めクリームを塗った手で車のハンドルに触ったら、白くなってしまいました。

イメージ:日やけ止めクリームを塗った手で車のハンドルに触ったら、白くなった

 日やけ止めクリームに配合されている紫外線散乱剤の「酸化チタン」という成分が原因だと思われます。

 酸化チタンは白い粉体で、肌の表面で紫外線を反射させて肌への悪影響を防ぐ大変有効な成分ですが、その粒子が非常に細かいために、皮目、布目はもちろん、車のハンドルやビデオカメラ、家具のなどの樹脂製品表面の細かい凹凸に入り込んでしまうと、簡単には取れなくなってしまうのです。(中性洗剤を薄めたものを布にふくませて、拭き取ってみましょう。取れる場合もあります。)

 日やけ止めクリームはもちろん、化粧品を使用したら、使用後すぐに手をよく洗うようにし、不用意に家具や日用品を触らないように注意してください。

〔出典:日本化粧品工業連合会編「コスメッチックQ&A事典」〕